【殴り返したら犯罪?】『おとな六法』で日常生活に役立つ法律知識を身に付けよう

昔の法廷の画像 本の紹介
うさ井
うさ井

やり手弁護士に、おれはなる!

ほん太
ほん太

うさ井さん、こんにちは。
どこかで聞いたことがある言い回しだね。
どうして弁護士になりたいの?

うさ井
うさ井

あぁ、ほん太くんか。こんにちは。
ふつうの弁護士じゃなく、“やり手”弁護士ね。
自分に不都合な法律を、いいように解釈して有利に立てるからだよ。

ほん太
ほん太

…ぼくは法律の専門家じゃないけれど、うさ井さんの認識が違うのはわかるよ。
法律が気軽に学べる『おとな六法』(岡野武志・アトム法律事務所/著 インプレス 2023年)を紹介するから、弁護士を目指す前に読んでみようか。


『おとな六法』一行紹介:
バカバカしい質問から少し真面目なものまで、笑いながら法律を学べる本


この本では100の質問+αが載っています。
いくつかピックアップして紹介しますね。

役に立つ法律知識

殴られたから殴り返しました。これって犯罪?

積極的に殴り返したら犯罪です。

「正当防衛じゃないの!?」と思われるかもしれませんが、そうではないようです。
正当防衛(刑法36条)と認められるのは、「相手が殴ってきたから離れようとして押し返した」といったケース。

反撃で積極的に殴り返すと、暴行罪(刑法208条)や傷害罪(刑法204条)になるから注意しましょう。


会社を辞めたいのにしつこく引き留められた、どうすればいい?

雇用期間の定めがないなら、退職の申し入れをした後2週間たてば退職できる

この本では、職場関係のトラブルについてもいくつか触れられています。

会社を辞めたい場合、法律的には、会社が内容証明郵便などでやめる意思を知ってから2週間後には退職しても問題ないとのこと。

民法627条では、「雇用期間の定めがないならいつでも雇用の解約の申し入れができる」とあるので、いつでも退職の申し入れができるそうです。

たぶん役に立たない法律知識 【この本のみどころ】

ゾンビをやっつけちゃうのは犯罪?

犯罪。

例えばゾンビになる途中でやっちゃった場合は、刑法199条の殺人罪に問われる可能性があります。
刑罰は、死刑、無期懲役、5年以上の懲役のどれか。

完全にゾンビになった後では、刑法190条の死体損壊罪に問われる可能性があります。
(呼吸が止まる・心臓が止まる・瞳孔が拡大するといった特徴が表れている場合)
刑罰は、3年以上の懲役です。

うさ井
うさ井

ゾンビはだめなのか。
…じゃあ、生きていれば…?

ほん太
ほん太

…その疑問が思いつく時点で取り締まる法律があればいいのに。


デスノートに名前を書いたら殺人罪?

殺人罪にはならない

マンガ『デスノート』、とても面白いですね。
名前を書くと、その人の命を奪うことができるデスノート。
そのノートをめぐるサスペンスです。

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殺人罪が成立するためには、誰かの命を奪った事実と、その方法が「科学的にみて一定以上の確率で命を奪うような行為」であることが証明されなければいけません。

現時点では、デスノートの効果を科学的に説明できないので、罪にはなりません。


人のから揚げに勝手にレモンをかけたら犯罪?

犯罪になる場合がある。

犯罪になる可能性があるのは、唐揚げを買ってきた人が重度のレモンアレルギーで、「レモンを口にいれたら死にそうになるから、絶対にかけないで!」と言っていた場合。

この場合は、唐揚げを食べられなくなってしまうので、器物損壊罪が成立します。
刑罰は、3年以下の懲役か30万円以下の罰金か科料。

もし、レモンに気づかずに食べて症状が出てしまった場合は傷害罪、亡くなってしまった場合は傷害致死罪や殺人罪が成立する可能性があります。

うさ井
うさ井

勝手にレモンかけられたら、そいつの目にレモンの皮をねじ込むよね。普通。
正当防衛だよ。

ほん太
ほん太

いや、それは防衛ではなくてシンプル暴力だね。

でも、レモンをかけるときは一言断った方がいいよね。

法律トリビア

最後に、本の中から「え!?そうだったの!?」と驚いたものを紹介します。


法律的には、ビールの泡はビール

昔、「この店のビールは泡が多すぎる!泡をビールとして売っているのは違法じゃないか!?」という裁判があったそうです。

そこで、東大の教授が法廷に呼ばれました。
その教授が「ビールの泡はビールよりアルコール度数が高い」と証言したため、裁判所は「ビールの泡もビールに含まれる」と判断したそうです。

うさ井
うさ井

なんて判断をしてくれたんだ!!
アルコール度数の問題じゃないだろうが!!

ほん太
ほん太

うさ井さん、大激怒だね。
…まぁ同情はするよ。


ウサイン・ボルトが歩道を全力疾走しても、違反にならない

ボルトの最高時速は約45キロと言われます。
ほぼ自動車ですね。

でも、ボルトが歩道で走っても、速度違反にはなりません。
なぜなら、車両ではなく歩行者だから。

もちろん、人にぶつかってケガさせたら罪になる可能性があります(過失傷害罪)。


さいごに

今回は『おとな六法』を紹介しました。
読み終わった後、法律のハードルが少し下がった気がします。

でも法の問題で気をつけてほしいのは、「自分で解決しようとしない」こと。
これは以前、法律の専門家の方に聞いたことです。

ネットや図書館で自分で調べて、自分で解決しようとする人が、たまにいるみたいです。
そもそも法律の言葉って、専門家以外にはなかなか読みこなせないとのこと。

安易に判断して行動してしまうのではなく、困ったら無料相談などを活用し、専門家に聞いてみましょう

うさ井
うさ井

いいこと思いついた!

南極ってどこの国でもないから、南極でならやりたい放題なのでは…?

ほん太
ほん太

…絶対に「いいこと」ではないよね。

『おとな六法』にも書いてあったけど、南極での犯罪は、その人の国の法律で裁かれるんだよ。


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