ほん太くん。ちょっと来なさい。
二枚舌のきみに、お話がある。
うさ井さん、こんにちは。
二枚舌とはひどい言いようだね。
いったい何があったの?
この間紹介してくれた『ジェイソン流 お金の稼ぎ方』を読んだら、
「“置かれた場所で頑張ればいい”という考え方は、僕にはない」ということが書いてあったよ。
でも、『置かれた場所で咲きなさい』という本があるのを、聞いたことがある。
知らないと思って適当なことを…さぁ、どっちが正しいのかはっきりしてもらおうか?
紹介した本を読んでくれてありがとう。
書いた人が違うから、意見も違うのは当たり前だよ。
でもこの2冊は、結局似たようなことを主張していると思うよ。説明するね。
『置かれた場所で咲きなさい』(渡辺和子/著 幻冬舎 2012年)一行紹介:
生死や老いについて優しく語る、200万部越えのベストセラー。
↓2017年に文庫版が出ています
『ジェイソン流 お金の稼ぎ方』については、別記事で紹介しています。
ぜひそちらもご覧ください。
結論:「不満があるなら自分から変える!」スタンスは、どちらも同じ
これは、どちらが正しいということはないと思います。
どちらの本も、「不満があるなら自分から変える!」ということを言っています。
ほん太はそう感じました。
過去と他人は変えられないですからね。
自分から変えるしかありません。
2冊のあいだで少し違うのは、「自分で変える」か「自分が変わる」かです。
「自分で変える」ジェイソンさん
うさ井さんが言っていた部分を引用するね。
「置かれた場所で頑張ればいい」なんていう言葉を聞くことがあるけれど、そんな考え方は少なくとも僕にはない。
『ジェイソン流 お金の稼ぎ方』厚切りジェイソン/著 ぴあ 2023年
ほら、ちゃんと書いてあるじゃないか。
さぁ。きちんと説明してもらおうか。
この文は、「望まない部署に配属されたら」という章に書かれています。
著者の厚切りジェイソンさんは、能力を生かすことと成長スピードを重視しているため、望まない部署でくすぶることを良しとしません。
つまり上の引用個所は、希望部署に異動できるように掛け合おう、という意図で書かれた文です。
もしすぐに異動がかなわなくても、「自分の仕事が終わった後に希望部署の先輩を訪ねる」と書かれています。
「どういうことが大変なのか」「今の自分にできそうなことはないか」と聞くそうです。
実際に仕事を振ってもらえれば実践力を磨けるし、そうでなくてもコネクションができるから。
自分に稼ぐ力をつけるには、環境だって自分で変えていこう、ということですね。
「自分が変わる」渡辺和子さん
『置かれた場所で咲きなさい』では、著者の渡辺さんがこのように書いているよ。
置かれた場に不平不満を持ち、他人の出方で幸せになったり不幸せになったりしては、私は環境の奴隷でしかない。人間と生まれたからには、どんなところに置かれても、そこで環境の主人となり自分の花を咲かせようと、決心することができました。それは「私が変わる」ことによってのみ可能でした。
『置かれた場所で咲きなさい』渡辺和子/著 幻冬舎 2012年 ※太字はほん太による
「置かれた場所で咲く」ということが書いてあるよ。
確かに、「私が変わる」とも書いてある。
うん、そうなんだよ。
引用部分の背景を説明するね。
著者の渡辺さんは、30歳間際で修道院に入ります。
その後、36歳の若さで、学長という責任ある立場に任命されました。
修道院は、無茶と思えることでも、命令に逆らうことは許されないところです。
「神の思し召し」と従ったのですが、苦労がとても多かったそうです。
慣れない土地で、風当たりの強い立場に置かれ、渡辺さんは自信を喪失してしまいました。
「だれもねぎらってくれない」「わかってくれない」と。
そんな状況で修道院を出ようかとまで思いつめた渡辺さんに、一人の宣教師が、短い英語の詩をわたしてくれました。
その冒頭の一行が「置かれたところで咲きなさい」という言葉だったのです。
詩を読んだ事がきっかけで、考え方が変わったんだね。
『ジェイソン流 お金の稼ぎ方』で「異動ができない場合は、希望部署の先輩に会う」と書いてあったけれど、それもある意味「置かれた場所で咲いている」ことになると感じるよ。
つまり、自分の力が及ばない環境の中でも、輝けるように自分が変わろう、ということです。
まとめ
一見真逆のことを言っているように感じる2冊ですが、ほん太はこんなふうにまとめます。
- 不満があるなら、自分から変える
- 自分の力で何とかなるなら、自分で変える
- 力が及ばないことなら、自分が変わることで輝くことができる
まぁ、最初から気づいていたけどね。
ほん太くんを試したんだよ。
…そう。納得してくれたようで良かったよ。
短い箇所だけ取り上げてあれこれ言うよりも、いったん元の情報にふれてみるといいね。
「両方活かせられればラッキー」くらいの気持ちで受け入れるといいと思うよ。
最後まで読んでくださってありがとうございました!
またお会いできるのを楽しみにしています!