もう、疲れたッス…
なんだかとっても眠いッス…
(あれは…“永遠のフレッシュさん”インコ林(いんこばやし)くん。)
こんにちは、インコ林くん。
どうしたの?フランダース感があふれ出ているよ?
ほん太先輩、こんちはッス…
同じ部署のうさ井先輩が何考えてるかわかんないッス…
何言われるかわからないから、疲れるッス…
うさ井さんのことは誰もわからないから、気にすることないよ。
でも、上司の意図を知っておくと、気持ちが楽になるかも。
『とにかく仕組み化』(安藤広大/著 ダイヤモンド社 2023年)を読んでみようか。
📖『とにかく仕組み化』(安藤広大/著 ダイヤモンド社 2023年)一行紹介:
トップに駆け上がる人に必要な「仕組み化」の考え方をまとめた1冊。
仕組みとか決まりとか、どうして細かく決めるの?
「電話は3コールで出ろ」とか、めんどいッス!
なんでそんなに細かくきまってるんスか?
それはね、人間は放っておくとラクを求めるからだよ。
あと、仕事を独り占めさせないための決まりというのもあるね。
職場でいろいろな「仕組み」「決まり」があるのは、性弱説と属人化で説明ができます。
「仕組み」「決まり」の理由1 性弱説
「性弱説」とは、「人は楽をして生きるものだ」とあきらめたうえで物事を考えた方がいい、という教えです。
もし仕組み化したり決まりがない場合、毎回「あぁ、電話が鳴ってる…出たくないな…でも出ないとな…」と、自分の誘惑といちいち戦うことになります。
これは、どんどん面倒になりますよね。
そういったムダを極限までシンプルにするのが、「仕組み化」や決まりを作るメリットなのです。
確かに。
決まってるなら、自動的に「電話出ないと!」って思うッス。
「仕組み」「決まり」の理由2 属人化
自分しかできない仕事って、優越感ありますよね。
でも、それ本当に良いことですか?
仕事の属人化は、みんなで働いていると害になります。
ある仕事が、1人だけで行われている場合を考えてみて下さい。
その人が休んだりすると、他の人はその仕事のことがわかりません。
休みが明けるのを待っていては、相手に迷惑をかけてしまいますよね。
そして、その1人がどんなに優秀でも、いずれはいなくなります。
いなくならなくても、年齢を重ね、体力が落ちたら、同じパフォーマンスを出せないかもしれません。
そのため、1人に頼らなくてもいい組織を作っておかなくてはなりません。
優秀な人がいる=優秀な組織ではありません。
優秀な組織とは、「優秀な人が不在でも、チームとして機能して勝てる組織」なのです。
一人で進められる仕事って、限界があるよね。
もし自分に属人化している仕事があれば、共有する仕組みを考えた方がいいかも。
なんで上司って、親しくしてくれないの?
同じ部署のうさ井先輩、めちゃ怖いッス!
静かにミスを指摘してくるッス!
もっと楽しく仕事したいッス!
うさ井さんは、確かに感情が読み取りづらいかも。
でももしかしたら、インコ林くんの成長を考えているのかもしれないよ。
上司が怖い・親しくしてくれないという悩みは、多いかもしれませんね。
では、どのように怖いのでしょうか?
「大きな声で人格否定をしてくる」などであれば、パワハラとしてしかるべきところに相談すべきですが、そうでないこともあるでしょう。
そうでない場合、上司は「正しい恐怖」で成長を促しているかもしれません。
例えば、こういう「怖さ」の場合。
・手を抜いたことをすぐ見抜かれる
・言い訳が通じない
・ルールを守らないと指摘される
誰が見ても、理不尽な部分がないゆえに、太刀打ちできない怖さがありますよね。
これが、「正しい恐怖」です。
正しい恐怖は、「努力すれば恐怖から回避できる」という、正しい逃げ道とセットになっています。
正しい恐怖がなく、何をしても怒られない職場だったら、どうでしょう?
間違っても怒られないため、何が間違っているかがわかりにくくなります。
そうすると、成長できない不安を感じることでしょう。
何をしても怒られないのは、やさしさではありません。
諦められ、見捨てられているだけです。
どうして会社って、他の人と比べるの?
仲よく楽しく働きたいのに、なかなかそうはいきません。
どうしても、職場内の他の人と比較されてしまうから。
褒められたり、怒られたり、給料に違いが出たり。
でも、比較されるのって、良い側面もあるんです。
意外かもしれませんが、人と比べるのは「平等を保つため」です。
絶対うそッス!
比べられたら、順番がついて、平等じゃないッス!
その場かぎりの平等ではなく、「機会の平等」だよ。
この平等とは、「成長する機会」の平等です。
人と比べることを隠すように気を使うと、頑張っている人が頑張りにくくなります。
何にでも「うん、それでいいよ♪」なんて言われたら、どっちに頑張ればいいかわかりませんから。
組織として成長を目指す以上、いかなるときも「成長したい人」を基準に判断されなくてはならないのです。
プラス評価はもちろんのこと、マイナス評価も成長を促すためです。
ダメだったことを正しく認識し、「次こそは頑張る」という意識につなげるための評価なのです。
そんなこと言われても、つらいのはつらい!
頑張るための仕組みや思惑だってことは、ちょっとずつわかってきたッス…
でも、つらいのはつらいッス!
そんなにずっと頑張り続けられないッス!
そうだよね。
とくに経験が浅いうちって、振り回されることが多いから、メンタル消耗するよね。
そのために、「自分に戻れる場所」を持っておくといいよ。
会社は仕事をするコミュニティです。
会社の目的のため、役割を果たすことが求められます。
意地悪な言い方をすれば「替えがきく歯車」です。
でも、人生、仕事ばかりではつらいですよね。
そこで、自分が「替えがきかない」存在になれるコミュニティが大切になります。
家族。友人。趣味の仲間。
そこでは、あなたの代わりなんて、絶対いません。
(「今日遅くなるから、お父さんの代わりに○○部長が家に帰るね」なんて、あり得ないですよね)
プライベートのコミュニティでは、おもいっきり「属人化」しましょう。
そして『とにかく仕組み化』では、2つのコミュニティ(仕事とプライベート)は、混ぜてはいけないと書かれています。
「会社なのに家庭のように振る舞う」「家庭なのに会社のように振る舞う」
これは、人間関係のトラブルのもとになります。
まとめ
今回は『とにかく仕組み化』を紹介しました。
ポイントをまとめます。
- 仕組みや決まりがあるのは、性弱説と属人化があるから
- 上司が怖かったり、比較されたりするのは、成長を促すため
- 会社の外に、自分が「替えのきかない存在」になれるコミュニティを持っておく
うさ井さんももしかしたら、成長を願っていてくれたのかもッス…
なんか、相手のことがわかると優しくなれるッスね!
そうだね。
本当はこの『とにかく仕組み化』、組織のマネジャー層に向けて書かれた本なんだ。
そういうのをインコ林くんが読むことで、悲しいすれ違いが無くなるかもしれないね。
やっとわかってくれたね。インコ林くん。
すべて、きみのソレを願ってのことだよ。
…たぶん。おそらく。そんな気がする。
うさ井さん。流れがわからないまま、雰囲気で会話に入ってきたね。
とりあえず、うさ井さんも本読もうか。
最後まで読んでくださってありがとうございました!
またお会いできるのを楽しみにしています!