はぁ…ヤドカリになって一生涯引きこもりたい…
うさ井さん、こんにちは。
ずいぶんネガティブだね。ほ乳類はヤドカリにはなれないよ。
いったいどうしたの?
あぁ、ほん太くんか。こんにちは。
ダメな自分を他の人に見られたくなくて…
目のある生き物の、視線すべてから逃れたいんだよ…
「目のある生き物すべての目を潰そう」ってならなかったことを、まずほめてあげるよ。
でも、その心持ちはつらいよね。
今日はそんなうさ井さんに、『さみしい夜にはペンを持て』(古賀史健/著 ポプラ社 2023年)を紹介するね。
『さみしい夜にはペンを持て』一行紹介:
コンプレックスまみれのタコジローが、公園で出会ったヤドカリのおじさんに勧められて日記を書く。
主人公のタコジローは中学生。
自分の見た目や上がり症であることに、大きなコンプレックスを持っています。
大人になってもコンプレックスだらけだよ…
小さい頃って、大人たちみんな自信満々に見えたよね。
「いつかああいう風になるんだろう」って思ってたけど、
まだまだ自信が持てないことって、多いよね。
大人になったって、コンプレックスは無くならないですよね。
見た目だったり、性格だったり、仕事の成果だったり。自分のことが好きになれない…と思うことも。
どうにかしたいのに、あがいても、あがいても、どうにもならないことがあります。
そもそも、あがき方がわからないことがほとんどです。
そこで一つ提案です。
あがきの最初の一歩として、『さみしい夜にはペンを持て』を参考にして日記を書いてみませんか?
そして少しずつ自分を認めて、信じて、好きになっていきましょう。
未来の自分に、ことばのロープをなげる
どうして日記なんて書くのか。
日記を書くことがなぜ、自分を好きになれるのか。
本の中でヤドカリのおじさんは、日記を書くことは「未来の自分に向けて、ことばのロープをなげる」ことだと言います。
ことばのロープって何でしょう?それは、人と人をつなげるものです。
ぼくらはみんな、家族や会社の人、一番の友達だって、バラバラです。
バラバラの場所、バラバラの考えで生きています。
そこでぼくたちは、ことばのロープに思いを託す。自分が放ったことばを、だれかがつかむ。だれかの放ったことばを、自分も握りしめる。そうしてようやく、バラバラだったぼくたちはつながり合う。嵐の夜も、さみしい夜も、沖に流されることなく、安心して朝を迎えられる。
『さみしい夜にはペンを持て』古賀史健著 ポプラ社(2023年)
その「ことばのロープ」を、数年後の自分に向かって投げるのです。
今が苦しくても、きっと数年後の自分は、笑ってその日記を読むと信じて。
未来の自分を信じられれば、今の自分だってそんなに悪くないと思えるはずです。
昔の大失敗って、今は笑えることが多いよね。
中学生のころ変な飾りをバッグに付けていたけれど、「バカだったよね~」ですませられるもの(笑)
バッグに何をつけていたの?
…ピッケルのレプリカ。登山しないのにね(笑)
映画のグッズだったんだよ。
日記が育つのは、10日目から
ヤドカリのおじさんが言うには、「日記は育てるもの」。
「秘密の書き物」から、「秘密の読み物」へ育っていくのです。
「秘密の読み物」になるまでは大変です。
成長の実感がないし、誰もほめてくれないし。
育ってきていることを実感できる最初のタイミングが、10日間くらい。
もちろん、何カ月も何年も続けられるのが良いです。
でも、それは気が遠くなっちゃいますよね。
だから、とりあえず10日続けてみよう、ということです。
どうして10日なのかは、本の272ページをご覧ください。
約300ページの本のうちで272ページまで引っ張っていることなので、ぼくからお伝えするのは気が引けます(笑)
10日か…結構長いかも。
でも小学校の夏休みの絵日記で、「昨日と同じでした」のバリエーションを21個生み出したことがあるから、頑張ったらいけるかも!
うん、その「ことばのロープ」を数年後の自分に届けるわけにはいかないよね。
頑張る方向を、ちょっとだけ変えてみようか。
そんなあなたのために、ヤドカリのおじさんは、日記を書くときに考えることを話してくれています。
日記に書くことが見つからないあなたへ贈る、3つの方法+1
文章を書くのが苦手な場合、次の3つを試してみてください。
1.細かいところを見てみる
「そこにいた自分」を見る感覚で、自分が見ていたもの・聞こえていた音・その時の自分の感情を思い出してみる。
2.「あのときの自分」にインタビューしてみる
どうしてそういう感情だった? 誰かが何か言ったから? それともほかのことが原因?
3.スローモーションにしてみる
アイスを食べることをスローモーションにすると、「冷蔵庫まで行く」「冷凍庫から取り出す」「開封する」「アイスを眺める」「最初の一口」「冷たさを感じる」「味と香りの広がり」…
いかがでしょうか。
「やっぱり大変そう」と思ったあなたへ、ぼく(ほん太)が続けている方法もお伝えします。
(この本には載っていませんが)
それは、「いいことしか書かない1行日記」です。
その名のとおり、夜寝る前に1日を順番に思い出して、一番楽しかったことだけをパソコンに打っています。
「○○がおいしかった」とか「■■さんが頑張っていて感動した」とか「▲▲へ行ったら家族が喜んでいてよかった」とか。
たった1行でも、読み返すとしあわせになるよ。
「こんなにたのしいことに囲まれているぼくは、捨てたもんじゃないな」って思う。
まとめ
今回は『さみしい夜にはペンを持て』を紹介しました。
ポイントをまとめます。
- 日記は未来の自分へのことばのロープ。笑って読めるようになっていることを信じて書こう。
- 日記が育つのは10日目くらいから。
- 書けない場合は「細かいところを見る」「あの時の自分にインタビュー」「スローモーション」
口から出た言葉は消せませんが、文章は消しゴムで消せますし、なおせます。
まずは試しに10日、書いてみてはいかがでしょうか。
自分で決めたことをきちんと続けられれば、自分を好きになっていけることでしょう。
最後まで読んでくださってありがとうございました!
またお会いできるのを楽しみにしています!
結局うさ井さんは、何がコンプレックスだったの?
…3色ボールペンの、黒だけいつも先に無くなるんだよ…
こんな使い方しかできないなんて…ボールペン職人さんに申し訳なくて…
…職人さんの存在を考えてあげられるのは、やさしいね。
これからは、色別に替え芯を交換できるタイプにしょうか。