話題のベストセラーを買う前に！柴犬社長が教える「図書館・本屋・ネット」の賢い使い分け術

（たい焼きの消しゴムって、こんなに種類があるものなのか？）

どれどれ、どんな本を買ったんだ？
『最新量子力学の数理』に、その次は『15世紀フランス哲学考』か。

ハスキー君。世の中にはいろいろな本があるが、すべての本が『今の君のレベル』に合わせて書かれているとは限らないんだ。

背伸びしすぎると、ただの紙の束になってしまうぞ。

今日は君に、本選びに必要な場所ごとの「戦い方」を教えよう。

まずは図書館だ。

図書館は「本を売る場所」ではなく「知識を整理する場所」だから、本選びの基礎を学ぶのに最適なんだ。

（まだ消しゴムがあるのか……）

まぁ、最初は緊張するが、慣れてしまえば心地よいぞ。

図書館の棚や本には、数字が書いてある。その数字は「日本十進分類法」と言って、知識の住所なんだ。

３桁の数字を使っている図書館が多いのだが、その一番左の桁の数字で、本の大まかなジャンルがわかるようになっている。

（まだ増やすつもりなのか？）

「５８９」の中に文房具が含まれるから、そこを探してみるといい。

仕事の困りごとは「３３６」だ。いろいろなビジネススキルを学ぶことができるぞ。

……「３３６」も覚えてくれ。

私も同感だ。
図書館もいいが、リアル書店にもよく行くぞ。

「週間ベストセラー」の棚は、いわば「今、みんなが何に困っているか」を映す鏡だ。
世の中の熱気を感じるには最高の場所だぞ。

まだだ。まだ終わらんよハスキー君。

勢いで買う前に目次や本文の数ページをパラパラめくって、テーマや難易度が自分に合うか「味見読書」をしろ。

味見なしの大盛り注文は厳禁だぞ。

レコメンド機能は「君の好みの延長線上」にある本を教えてくれる。

当たり外れはあるだろうが、「好き」を深める相棒として使い倒せばいい。

気に入った本があれば、その著者を調べてみるんだ。
その人の別作品をネットで追うと、自分の好みに合った本に出会いやすいぞ。

自分に合った本と出会うために、知っておくべきことがまとまっているぞ。

ハスキー君のような猪突猛進タイプにはぴったりな、「多読」のススメだ。

選んだ本をすぐ読めなくても大丈夫。
「積んでおくことの価値」を肯定してくれる、心の栄養剤だぞ。

図書館で「住所」を知り、リアル書店で「空気」を感じ、ネットで「好き」を深める。

この使い分けが、君を読書マスターにするんだ。

ベストセラーの中には、「漫画版」が出ているものもある。
中身は同じでも、読みやすい難易度になっているはずだ。

あと、たい焼き消しゴムが私の部屋に置きっぱなしだ。
見ているとお腹が空くから、早く片付けに来たまえ。

追伸：土は掃除しておいたぞ。