アメリカかな。ヨーロッパかな。東南アジアもいいかも…
うさ井さん、こんにちは。
海外旅行に行くの?楽しそうだね。
あぁ、ほん太くんか。こんにちは。
老後のお金を稼ぐために、武装して銀行に行くんだよ。
逃亡先は、どこがいいかなって考えていたんだ。
…成功する前提なんだね。銀行強盗の検挙率は99%以上だから、やめておこうか。
それよりも、『きみのお金は誰のため』(田内学/著 東洋経済新報社 2023年)を紹介するから、お金のことを少し勉強してみようね。
『きみのお金は誰のため』一行紹介:
中学生の主人公が“ボス”からお金の謎と社会の仕組みを学ぶ、経済教養小説。
この本の冒頭で、お金についての3つの謎が示されます。
①お金自体には価値がない
②お金で解決できる問題はない
③みんなでお金を貯めても意味がない
「そんなわけはない!」と言いたくなりますよね。
この本の主人公である優斗も、同じ感想を持ちます。
しかし、お金のことを教えてくれる“ボス”の話を聞くうちに、新たな考えを得るのです。
それぞれの謎について、ポイントをまとめていきますね。
お金の謎1 お金自体には価値がない
お金に価値がないということは、ほん太くんのお金をもらってもいいんだね?
もちろん違うよ。うさ井さん。
解釈を早まらないで。
「お金には価値がない」のではなく、「お金“自体”には価値がない」というところがポイントです。
お金“自体”=お札やコインだととらえてください。
お金の価値は、みんなが「お金に価値がある」と思っているところですね。
日本でお金が広まったのは、1873年の地租改正がきっかけと言われています。
それまでは税金をお米で納めていました。
地租改正で、「お米を現金に換えて、税金払ってね」となったのです。
そのようなきっかけで、お金が広まっていきました。
そのおかげで、「お互いのために働く社会に変わった」のです。
みんな共通のお金を使うので、駄菓子屋さんはお菓子を売るし、プロ野球選手は野球をします。
みんながいろいろな形で、他の人を支えることができるようになったのです。
お金の謎2 お金で解決できる問題はない
「お金で解決できる問題はない」?
つまり、これからもほん太君は、タダで協力してくれるということだね。
ありがとう。末永くよろしく。
…感謝してくれるのは嬉しいよ。
でも、いままでお金をとったことは無かったはずだよ。
たとえば、あなたが広い砂漠に1人取り残されたとします。
そしてなぜか、100万円の手持ちがあります。
でも、他の人は誰もいないし、お店もオアシスもありません。
そのお金を使って、水を飲めるでしょうか?
飲めませんよね。
お金が解決に直結しているわけではないのです。
なぜお金を使って解決できるかというと、いろいろな資源や人の働きが関わってくるからですね。
では、お金を使ってできることって、いったい何でしょう?
それは、何に使うか・誰に使うかを選ぶことだけです。
お金の謎3 みんなでお金を貯めても意味がない
「みんなでお金を貯めても意味がない」なら、ひとり占めすれば意味が出てくるということか。
…決めたよ。ほん太くん。
何を決めたかは言わなくていいし、実行するのもやめようね。
「みんなで」の前に、自分のお金が増えることを考えてみましょう。
給料やお小遣いをもらうと、お金は増えますね。
でもそのお金って、どこから来ましたか?
給料だったら、会社から来ましたね。
お小遣いだったら、お父さんやお母さんの財布から来ることが多いでしょう。
つまり、お金が増えるというのは、どこかでお金が減っているということです。
イス取りゲームみたいなものですね。
現在日本は、子どもが減って高齢者が増えています。
少子高齢化で働き手が減る(モノやサービスが減る)というのは、イスの数が少なくなるということです。
「イスに座るお金を持っていても、イスの数が全然足りない」ということが起こってしまう状況です。
ではどうすればいいか?
イスを作ればいいのです。
つまり、未来の課題を解決するために考えて動く、ということですね。
少子化を食い止めたり、生産力を増やしたりすることを考えるべきなのです。
難しいことですが。
まとめ
今回は『きみのお金はだれのため』を紹介しました。
ポイントをまとめます。
- お金自体には価値はなく、お金を通じてみんなが支え合えることに価値がある
- お金で解決できる問題はない。お金でできるのは「選ぶこと」だけ
- みんなでお金を貯めるより、課題を解決するためにみんなで考えて動く
お金を通して、人々はつながっていることがわかる本です。
最後まで読んでくださってありがとうございました!
またお会いできるのを楽しみにしています!
武装して銀行に行くのはやめておくよ。
でも、武装するためにネットでいろいろ買ったものをどうしようかな。
!?
…いったい、何を買ったっていうの?
大量の輪ゴムと段ボール。
お金なくなっちゃったよ。
(コント師かな?)
…ぼくがいっしょに、輪ゴムと段ボールで遊ぶよ。