【螺旋プロジェクト】8人の作家が競作した前代未聞のプロジェクトを紹介します

渦巻に飲み込まれながら本を読む柴犬 本の紹介
ほん太
ほん太

「螺旋プロジェクト第2弾始動」!?
今年一番興奮するニュースだよ!!

うさ井
うさ井

ほん太くん、普段テンション平坦なのに、今日はやけにハイだね。
今年一番とか言って、まだ3月なんだけど。
ちょっと引くよ。どうしたの?

ほん太
ほん太

…引かないでよ。その対応にテンション爆下がりだよ。
数年前にぼくがハマった「螺旋プロジェクト」というのがあったんだよ。
8人の作家の競作企画なんだけど、とても楽しかったんだよね。


「螺旋プロジェクト」ってどんなもの?

「螺旋プロジェクト」の概要

「螺旋プロジェクト」とは、8人(というか7人と1組)の作家が「共通ルールを決めて、原始から未来までの歴史物語を、みんなで一斉に書く」という企画です。
2019年に8冊が出版されました。今はすべて文庫版でお手軽価格で読むことができます。

うさ井
うさ井

いろいろな作家が参加しているんだ。

お祭り感がすごいんだね。
ファミコンジャンプみたいなものかい?

ほん太
ほん太

例えがニッチだね。

…1989年に出た、週刊少年ジャンプのキャラクターが作品を超えて登場するゲームだね。

お祭り感でいえば、確かにファミコンジャンプかも。

伊坂幸太郎氏の呼びかけで始まり、読書好きにはたまらないそうそうたるメンバーが参加しています。

「螺旋プロジェクト」作家

「螺旋プロジェクト」に参加したのは、この8人(7人と1組)です。

  • 伊坂幸太郎
    他の代表作『ゴールデンスランバー』(本屋大賞、山本周五郎賞)、『重力ピエロ』など
  • 朝井リョウ
    代表作『何者』(直木賞)、『桐島、部活やめるってよ』など
  • 大森兄弟(兄弟ユニット)
    代表作『犬はいつも足元にいて』(文藝賞)、『わたしは妊婦』など
  • 薬丸岳
    代表作『天使のナイフ』(江戸川乱歩賞)、『Aではない君と』(吉川英治文学新人賞)など
  • 吉田篤弘
    代表作『つむじ風食堂の夜』、『それからはスープのことばかり考えて暮らした』など
  • 天野純希
    代表作『桃山ビート・ドライブ』(小説すばる新人賞)、『雑賀のいくさ姫』など
  • 乾ルカ
    代表作『てふてふ荘へようこそ』、『メグル』など
  • 澤田瞳子
    代表作『星落ちて、なお』(直木賞)、『若冲』など
うさ井
うさ井

ふーん。みんな有名なの?

ほん太
ほん太

小説が好きな人なら、「よく集まったな!」と感動するメンバーだよ。

作風もジャンルも違う8人の作家が競作した「螺旋プロジェクト」。作品の“共通ルール”が気になりますね。

「螺旋プロジェクト」の共通ルールって?

「螺旋プロジェクト」の8作品は、以下のようなルールで書かれています。

  • 「海族」vs「山族」の対立を描く
    絶対に相容れない者として、「海族」「山族」が描かれています
  • 共通のキャラクターを登場させる
    ネタバレなので紹介できませんが、どの作品にもある特徴を持ったキャラクターが登場します
  • 共通シーンや象徴モチーフを出す
    “壁”“お守り”“絵本”など、いくつかの作品間で同じキーアイテムが出てきます
うさ井
うさ井

違う作品に知っているキャラクターが出るのはアツいね。
ドラゴンボールにアラレちゃんとペンギン村が出たときは興奮したもの。

ほん太
ほん太

週刊少年ジャンプからの例えが多いね。

でも、的を射ているかも。
全然違う話なのに、「コイツ知ってる!」と鳥肌が立つよ。


「螺旋プロジェクト」をおススメする理由3つ

小説が好きなら絶対に触れてほしい「螺旋プロジェクト」。その理由は以下の3つです。

クオリティが高い

全員が第一線で活躍する人気作家なので、好みはあれどクオリティのハズレがありません

うさ井
うさ井

実力不足の作家が設定ありきのノベライズに手を付けて、大爆死していることがあるよね。
ね、ほん太くん。

ほん太
ほん太

…黙秘します。

「螺旋プロジェクト」は、好みに合わない作品は会ったけれど、文章に興ざめすることはなかったよ。

長く楽しめる

全8冊という大ボリュームなので、長期間楽しむことができます
本好きにありがちな“積読在庫切れ”問題を気にしなくていいですね。

普段読まない作家に触れる

8人もいると、読んだことがない作家もいるのではないでしょうか。
もしかしたら、自分にぴったりな作風の作家に出会えるかもしれません。


作品紹介

螺旋プロジェクトの作品を舞台の時代が古い方から紹介しますが、「この順番に読め!」というわけではありません。
時代に沿って読むのもいいですが、好きな作家から読むのも楽しいと思います。

📖『ウナノハテノガタ』大森兄弟 【原始】

『ウナノハテノガタ』一行紹介:
“死”という概念を持たない部族が、別の部族から逃れてきた女の出現で大きく変わる。


ほん太
ほん太

「“原始”ってどう文章にするんだろう?」と興味を持った作品。

シンプルな言葉とぶつ切りの会話文が、その雰囲気を出していたよ。

“死から目を逸らす”ことって、現代に通じるところがあるかも。

📖『月人壮士(つきひとおとこ)』澤田瞳子 【古代】

『月人壮士』一行紹介:
聖武天皇の死後、その遺詔に疑問を持った橘諸兄の命を受け、中臣継麻呂と道鏡が真意を探る。

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ほん太
ほん太

少し前から、奈良・平安の貴族モノがひそかに人気みたいだね。

📖『もののふの国』天野純希 【中世・近世】

『もののふの国』一行紹介:
源平合戦から幕末維新まで、“起こりうるべくして起きた”千年にわたる武士の戦。

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ほん太
ほん太

「“海”と“山”との争い」という設定が、一番まっすぐに活かされているいるかも。

📖『蒼色の大地』薬丸岳 【明治】

『蒼色の大地』一行紹介:
幼馴染である三人の少年少女が、運命に翻弄され国を揺るがす戦争に巻き込まれていく。

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瀬戸内海を舞台に、海軍と海賊の対立を描いているよ。

幼馴染の一方は海軍、もう一方は海賊に分かれてしまう。

📖『コイコワレ』乾ルカ 【昭和前期】

『コイコワレ』一行紹介:
疎開先で無意識に忌み嫌い合う二人の少女から、戦争は大切な存在を奪っていく。

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ほん太
ほん太

後半、史実に基づいた出来事が起こるのだけど、その日付に近づくにつれ、なんとも切ない気持ちになったよ…。

📖『シーソーモンスター』伊坂幸太郎 【昭和後期】

『シーソーモンスター』一行紹介:
一見平和に見える家庭で勃発する、嫁(元情報員)と姑による熾烈な争い。


ほん太
ほん太

嫁姑スパイ小説(笑)。
この本は『スピンモンスター』という物語も収録されていて、そちらは【近未来】のお話。

📖『死にがいを求めて生きているの』朝井リョウ 【平成】

『死にがいを求めて生きているの』一行紹介:
植物状態の青年と、献身的に見守る友人の間に横たわる“歪な真実”とは?


ほん太
ほん太

小説の中にダメダメな人間が出てくると、妙に共感してしまうんだよね。
自分のダメダメなところが、いろんな登場人物にちりばめられているような気がして、夢中で読んじゃった。

📖『天使も怪物も眠る夜』吉田篤弘 【未来】

『天使も怪物も眠る夜』一行紹介:
2095年、壁によって分断された東京は、不眠に悩まされていた。


ほん太
ほん太

時代設定でいうと、螺旋プロジェクト締めの作品。
単品で読んだ感想と、8冊読んだからこその感想。両方を楽しめるよね。


【おわりに】第2弾、楽しみにしてます。

ほん太
ほん太

「もっとこんな企画があればいいのに」と思い続けていたので、螺旋プロジェクト第2弾は嬉しいよ。

参加する作家が誰なのか、とても楽しみ。

うさ井
うさ井

ファミコンジャンプ2も、一定の評価を得ているようだしね。

ただ、燃えるお兄さんがリストラされたのは残念だけど。

ほん太
ほん太

ベスト・オブ・ニッチを出さないでよ…。燃えるお兄さんって「あちゃ!おちゃ!玄米茶!」のやつだよね…。

それはともかく、螺旋プロジェクト第1弾でお気に入りの作家が抜けていたら残念だけど、きっとそれを上回る作家・作品が参加するんだろうね!

最後まで読んでくださってありがとうございました!
またお会いできるのを楽しみにしています!

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