ずっと友だち…
うさ井さん、照れるよ。そんな。
僕のことをそんな風に思っていてくれたなんて。
…いない。
「…」の間で孤独死しそうだよ。
📖『友だちがしんどいがなくなる本』(石田光規/著 講談社 2024年)で友だち関係について深く知って、生活に生かそうね。大丈夫だから。
📖『友だちがしんどいがなくなる本』(石田光規/著 講談社 2024年)一行紹介:
社会学者が、友だち関係を強いる社会に一石を投じる本。
【本の目次紹介】
・第1章 私たちが「友だちがしんどい」と感じるワケ
・第2章 今日からできる人づき合いのコツ
・第3章 時代とともに変わる「友だち」のかたち
・第4章 現代になって生まれた新しい「友だち」のかたち
・第5章 SNSが変えてしまった人間関係のあり方
・第6章 オンラインの人づき合いで疲れないために
「一人でできちゃう」世の中だもの
うさ井さんに友だちがいない理由って、なんだと思う?
…ケンカ売ってんの?
コミュ障なめんなよ。
お前の耳を引っ張って、2秒で長さ5倍にしてやるよ。
…ごめん、ことばのチョイスを間違えた。
決して、「個人的な問題だけではない」って伝えたいんだよ。
友だちができにくい理由の一つとして、「なんでも一人でできでしまう世の中」が挙げられます。
多くの人が農業を営んでいたころ。
道を共同で管理したり、川の水を共有したり、近所の畑の収穫を手伝ったり…。
人と何かを行うことは、必然でした。
しかし今、機会が進歩し、いろいろなサービスが充実してきています。
そうすると、お金とネットさえあれば、なんでも一人でできるようになります。
「一人でできるなら、わざわざ他人と会わなくてもいい」と思っちゃうな。
つまり現在は、「一人になりやすい社会」なのです。
強制的に集まることがない社会。
そんな社会の中で、ある程度継続的な関係をつくるには、「友だち」か「恋人」にならなくてはいけないのです。
友だちのでき方 昔と今
「友だち」や「恋人」にならないと、人と一緒にいづらいということだけど、
以前はどうだったんだろう?
【昔】 リアルな場で、じっくり関係を育む
昔は、共同作業や冠婚葬祭、町内会などの集まりが多くありました。
その結果、知らない人でも強制的にいっしょにいる状況が発生します。
何度か顔を合わせ、世間話を重ねるうち、「この人はこんな人なんだな」とわかります。
その結果、気が合うとわかった人とは、いつの間にか仲良くなっていることになります。
「知り合い」から始まり、振り返ると「友だち」になっていたという感じですね。
地域の集まりって面倒くさいけれど、こんな利点もあったのか。
【今】 はじめから「○○友」としてつながり、その関係を維持する
昔は「地域の集まり」という「リアルな場」が、関係性を育んでいました。
しかし、一人でもいられる今は、どうでしょう。
一人でいられるからと言って誰ともつながらないと、「ぼっち」呼ばわりされます。
つながりの輪からあぶれる危機感は、常にあるわけです。
わざわざ「ぼっち」を見つけて、マウント取ってくるやつがいるんだよね…。
放っておけばいいのに。
そこで、はじめから「友だち」としてつながるという方法がとられるようになりました。
人となりを深く知っているわけではないけれど、なんとなく一緒にいて話す人などを、「友だち」とするのです。
その結果、パパ友・ママ友・ヨッ友や「オンラインゲームする(だけの)友だち」「朝一緒に登校する(だけの)友だち」など、用途限定の「友だち」がたくさんできます。
軽い間柄でも「友だち」として囲い、ぼっちになるリスクを分散させているみたいだね。
幻滅されないように必死になるから「しんどい」
オンラインゲーム上だけの友だちがいたとして、「やっぱこの人合わないな」と感じたらどうする?
フレンド登録をやめればいい。
まあ、そうなるよね。
でも、相手も同じだよ。
じっくり関係性を育てた人は、ある程度「この人はこういうことを言う人」というのが予測できます。
というか、そのうえで付き合っていますよね。
でも、最初から「友だち」として付き合い始めた場合。
長い時間一緒にいないと、相手の内面がわかりません。
そうすると、予想していなかった態度を取られた場合、一気に幻滅する可能性があります。
幻滅すると「別にアイツいらなくね?」となり、関係を切ってしまうことになります。
あとは、つるまなければいいだけ。
ある意味、とても気楽です。
でも反面、ある日突然相手から関係を切られる恐怖におびえるということでもあります。
そのために、ずっと相手の反応をうかがい続ける。
これが、友だちがしんどい理由のひとつなのです。
📖『友だちがしんどいがなくなる本』からのアドバイス
…詰んだ。めんどい。
もう、友だちいなくていいかも。
まぁそう悲観しないで。
この本では、こういうアドバイスをしているよ。
📖『友だちがしんどいがなくなる本』からのアドバイス
リアルな場で関係を築き、オンライン(SNS)は補完で用いる
さっきのオンラインゲームのたとえでも、簡単に「切ればいい」と思ってしまったし。
リアルに顔を合わせていると、「大事にしなきゃな」と感じるかもね。
まずは、今いる職場を大事にしようかな。
そうそう。
せっかくぼくといっしょにいるんだし、長くつきあって行こうよ。
それに、「友だち」ってはっきりした決まりが無いんだから、言ったもん勝ちだよ。
【オマケ】友だちで悩むあなたへ ちょっと古い本の紹介
『友だち幻想』(菅野仁/著 筑摩書房 2008年)
友だちだから「なんでも受け入れてくれる!」と考えるのは、自分勝手な考え。
相手を尊重したうえで、関係を深めようと気づける本。
『「対人不安」って何だろう?』(榎本博明/著 筑摩書房 2018年)
「自分が不安なように、相手も不安を感じている」と気づけば、相手を気遣えるようになるね。
日本人の特性に触れつつ、対人不安を和らげる方法が書かれている一冊。
『友だちはいらない。』(押井守/著 東京ニュース通信社 2015年)
映画監督の押井さんが、仕事や人生から導き出した考えを語る本。
友だちはいらないけど、師匠・仲間・犬や猫は必要とのこと。
『星の王子さま』(サン=テグジュペリ/著)
以前もブログで取り上げた本。
キツネとのやりとりで、「長くじっくり関係を育む大切さ」がわかるね。