うさ井さんにインコ林くん、こんにちは。
最近読んだ本を教えてよ。
…あ、始業時間ッス!
もう行かなきゃッス!
…(じろり)
(スタスタスタ)
うさ井さん、ガン飛ばして無言で立ち去ったな。
…仕事していると、なかなか読めないもんね。
二人に教えられるような、読めるようになる方法は無いかな。
📖『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』(三宅香帆著 集英社 2024年)を読んで、そこから考えてみよう。
📖『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』(三宅香帆著 集英社 2024年)一行紹介:
働きながら本が読める社会を作る方法を提案する一冊。
この本を、ざっくりまとめてみる
285ページのこの本を、めちゃくちゃおおざっぱにまとめてみるね。
なぜ働いていると本が読めなくなるの?
答え:余裕がないから
時間の余裕はもちろん、直接関係ない情報を取り入れる余裕がない。
うさ井さんからのプレッシャーで、心の余裕もないッス!
…うさ井さんには黙っておくね。
直接&すぐに役立つ情報じゃないと、「こんなの知っててもしょうがないやい!」ってなっちゃうんだね。
どうしてそんな状況になっちゃったの?
答え:仕事での自己実現を求められているから
「こんな職種で、このようなプロジェクトを成し遂げましたよ!」というのが重視される。
そのため、「いかに成し遂げるか」以外の情報はノイズになってしまう。
じゃあどうすればいいの?
答え:「半身で働く」
全身全霊で仕事に打ち込むのではなく、家や趣味など、様々な場所に居場所をつくるということ。
いつでも半身で働いているよ。
うさ井さんの場合は半身どころか、3割あるかどうか疑わしいところだね。
この本で「良い!」と感じたところ
ぼくがグッと来たところを紹介するね。
自分から遠く離れた文脈に触れること――それが読書なのである。
そして、本が読めない状況とは、新しい文脈をつくる余裕がない、ということだ。自分から離れたところにある文脈を、ノイズだと思ってしまう。そのノイズを頭に入れる余裕がない。自分に関係のあるものばかりを求めてしまう。それは、余裕のなさゆえである。だから私たちは、働いていると、本が読めない。
仕事以外の文脈を、取り入れる余裕がなくなるからだ。
『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』(三宅香帆著 集英社 2024年)
「文脈」=視点や考えのような感じでとらえてください。
自分と違う視点や考えに触れるのが読書、というのは、とても共感できました。
それだけが読書の目的ではないけれど、ぼくの中では、大きな位置を占めているので。
この本で違和感を感じたところ
半身で働こう。それが可能な社会にしよう。
『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』(三宅香帆著 集英社 2024年)
言いたいことは分かるし、そうなればいいと思うけど。
この本のキモ部分です。
例えば「週3勤務・兼業」みたいになったら、本を読む余裕ができる。と。
あくまで凡人の意見として読んでほしいのですが…
現実的に、週3勤務で生活できるのは、ごく一部の人なのではないでしょうか。
共働き夫婦の片方が週3勤務だったら、可能だろうけど。
(週3・兼業は一つの例ではあるけれど、同じレベルの余裕を得られる生活にたどり着くには…大変そう)
本の主張では、「効率化で仕事の成果は上がる→勤務時間減らせる!」という主張だけど…
そのためには、効率化スキルの情報を仕入れないといけない。
このとき、効率化スキル以外の情報はノイズとなって、やはり他の本は読めなさそう。
理想的ではあるけれど、「今すぐみんなができるわけではない」と感じてしまいました。
その境地にたどりつくまでには、たくさんのプロセスが必要だろうなぁ。
本が読めるようになる方法を考える
読めない理由が「余裕がない」からなのは分かったッス。
確かに、必要な情報以外を楽しむ余裕はないッス…
でも、そこから抜け出して、本を読めるようになる気がしないッス!
ほん太くんは、ずっと読書を続けていたの?
いや、ほとんど読んでいない時期が、かなりあったよ。
やっぱり働き始めてから慣れるまでは、余裕がなかったよ。
その経験から、自分なりの「読書スタート法」はあるよ。
自分なりの「読書スタート法」
📖『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』の巻末に「働きながら本を読むコツ」が書かれているのですが、それにぼくの意見を足して、「よりハードルの低い読書スタート法」をお伝えします。
ポイントは“15分だけ”。
そのくらいの時間なら、1日のどこかで確保できそうな気がしてこない?
SNSでお気に入りになりそうな読書アカウントを“15分だけ”探してみる。
「#読書」や知っている作家名などで、ゆる~く探してみましょう。
まずは15分でいいです。
1回目でお気に入りのアカウントがあればラッキーですが、見つからないこともあります。
でも何度か検索しているうちに、SNSが気を利かせて「読書系アカウント」の表示を増やしてくれるので、探しやすくなるでしょう。
SNSってそういう仕組みなので。
Facebookは原則実名なので、信頼できる分、気持ちのハードルは上がります。
Xは玉石混交ですが、気楽に探せる利点はあるかと思います。
お好みでどうぞ。
このブログは、FacebookとX両方で発信しているよ。
書店や図書館を、“15分だけ”ぶらぶらしてみる。
まずは、本のある空間に入ってみましょう。
はじめのうちは、新刊コーナーだけ見れば十分です。
「今はこんな本が人気なんだなぁ」とか、「この作家の名前、聞いたことあるなぁ」とか。
何度か通ううち、気になる本が出てくるかもしれません。
「ポップですごい推してくるけど、人気なのかなぁ」「この間も見かけたけど、変なタイトルだなぁ」「そういえばSNSでも見かけたっけ」というように。
そう感じたら、試しに買ったり借りたりしてみましょう。
慣れないうちは、1冊ずつ。
「つまらない本だったらどうしよう…お金もったいない」という方は、図書館がおススメ。
その図書館にない本でも、他の図書館から借りてくれることがあるよ。
「すぐ読みたい!」「新しい本がいい!」という方は、本屋さんが合ってるかもね。
本が手元にあれば、“15分だけ”パラパラしてみる。
小説なら最初から読んで、15分で読めるところまで。
その際、読めたページ数を把握しておくのがおススメです。
本全体のページ数を見れば、読み終わる日が計算できます。
そうすると、「この日まで読めると良いな」というプチ目標ができます。
実用書系は、初回なら「目次や小見出しだけ」パラパラしましょう。
「へ~、こんなこと書いてある本なんだ」とあらかじめわかっていると、本文を読み進める際、理解がしやすくなるからです。
(小説でコレをやるとセルフでネタバレになるので、やめておきましょう)
目次や小見出しだけ読んだ時点で、まだ15分に達していないようなら、「まえがき&あとがき」を先に読んじゃいましょう。これも、理解を助けます。
ぼくはスマホのタイマーや、キッチンタイマーで計っているよ。
難しい本のときは、時間を計るとより集中できるかも。
くれぐれも、無理はしないでくださいね。
読めなかったら、「今の自分が読むべき本じゃなかったんだな」とあきらめて、他の本にしましょう。
ぼくが本を読まなかった時期
ぼくはもともと器用な性格ではなく、職場や業務に慣れるのに時間がかかるほうです。
そのため、仕事で受けるプレッシャーは、なかなかのものでした。
仕事のプレッシャーから逃れるために何をしていたか。
ずーっと、ゲームをしていました。
なぜゲーム? もちろん、楽しいから。
楽しい間は、仕事の辛さを忘れることができます。
それに、読書ほど主体的に関わらなくても楽しめるメディアですからね。気が楽です。
ゲームに使った資源(お金・時間・部屋の中のスペース)は、そのまま「ぼくはこんなにも癒された!」という証拠になっていました。
その証拠を眺め、また癒される。
さらに“証拠”を増やすため、また資源を使うというスパイラル。
そんな生活だから、読書に時間は使っていませんでした。
ゲームは今でも好き。ゲームの否定はしないよ。
実際に救われていた部分は、とても大きいと思う。
ダメなのは、時間の使い方が下手な、当時のぼく。
読書から離れるきっかけは、仕事以外にも、勉強や育児などいろいろありますよね。
結局📖『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』に書かれている通り、時間や心の余裕がないから、「今役に立たない情報はいらない!」となるのだと思います。
余裕、無かったですね~。
おわりに ささやかな一歩から
📖『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』にあるとおり、自分と違う視点や考えに触れるのが読書だと思います。
しかし残念ながら、日々の仕事や暮らしが大変で、読書の余裕がありません。
…でも、15分だけなら、どうでしょう?
それでも難しければ、5分だったらどうでしょう?
5分だけ、まずはSNSで。
お気に入りの読書アカウントを検索してみませんか?
いきなり社会は変わりません。
職場環境も、変えるには時間が必要です。もしかしたら、とても長い時間。
それはそれで、少しだけ気にかけながら、まずは自分ができることをしていきましょう。