AIに物語を書いてもらった その9 芥川龍之介風

【番外編】AIショートショートチャレンジ
ほん太
ほん太

特定の作家の作風を真似してもらうよう頼んだら、どうなるのか試しました。

そうしたら、ある作品をパクっ……いや大胆に参考にした『髪』ができあがりました。
ストーリーをなぞっているけど、文体はちょっぴり古風という程度。

文豪への道は遠そうです。

 彼は、松本(まつもと)と申した。歳の頃は十七、都会の片隅にある、ありふれた高校に通う生徒であった。彼の苦悩は、学業でもなければ、友人のことでも、恋人のことでもなかった。彼の苦悩は、彼のにあった。

 彼の髪は、生まれつき異常なまでに直毛で、そして硬かった。まるで針金のように一本一本が強く、どんなに整えても、決して彼の思い通りにはならなかった。朝、丹念に櫛で梳かしても、数分後には元の位置に戻り、まるで逆立ったように跳ね上がるのであった。

 彼の髪は、幼少の頃から彼を苦しめ続けた。小学生の頃には、クラスメイトから「鳥の巣頭」とからかわれ、以来、彼は自身の髪に深い劣等感を抱くようになった。中学校に上がると、周囲の生徒は皆、思い思いの髪型を楽しんでいたが、松本だけは、その硬質な髪ゆえに、いつも同じ、どこか滑稽な髪型で過ごすしかなかった。

 彼は、この髪をどうにかして柔らかくしようと、あらゆる手を尽くした。まず、高価なシャンプーやリンスを試した。髪に良いと聞けば、どんな商品でも惜しみなく買い求めた。だが、いくら高価な品を使っても、髪の質は変わらない。次に、毎晩、ドライヤーで念入りにブローした。熱風で髪を伸ばそうと試みたが、すぐに元の頑固な状態に戻ってしまう。ついには、友人の勧めでパーマをかけたこともある。しかし、彼の髪はパーマ液をまったく受け付けず、逆にチリチリに縮れてしまい、まるで火傷でもしたかのような惨状を呈したのであった。

 松本が最も心を痛めたのは、彼の周囲の視線であった。人々は彼の前では露骨に笑うことはなかったが、その視線は常に彼の髪に向けられているように思われた。特に、女子生徒たちの視線は、彼にとって耐え難いものであった。廊下ですれ違うたびに、彼女たちが彼の髪を見て、ひそひそと何かを囁き合っているように感じるのであった。

彼の唯一の望みは、この煩わしい髪が柔らかくなることであった。彼は夢の中でさえ、サラサラと風になびく髪を持つ自分を想像した。その夢の中の彼は、自信に満ち、人々の尊敬を集め、そして何よりも、女子生徒たちから好奇の目を向けられることなく、堂々と振る舞うのであった。

 ある日、松本はインターネットで、髪質改善に効果があるという、とある民間療法を見つけた。それは、ある種の秘薬を練り込んだ泥を髪に塗布し、一定時間置くというものであった。松本は半信半疑であったが、藁にもすがる思いでその秘薬を注文し、休日の夜、自室でその処置を試みた。泥は異様な匂いを放ち、頭皮にピリピリとした刺激を与えたが、松本は痛みをこらえ、処置を続けた。

 数時間が過ぎ、泥を洗い流した松本は、自身の髪に異変を感じた。それは、これまで感じたことのない、わずかながらも確かな柔軟性であった。そして、数日が経つと、松本の髪は驚くほどに柔らかくなっていた。かつて針金のように硬かった髪は、今では指通りも滑らかで、櫛で梳かせば、自然な流れを持つようになった。

 松本は歓喜した。彼は早速、思い思いの髪型を試みた。前髪を流し、襟足を整える。まるで別人のように、彼の顔つきまでが生き生きとして見えた。彼はもう、彼の髪のことで悩む必要はない。彼は心ゆくまで、学業に、友との交流に、そして新しい自分自身に専念できる。

 しかし、彼のこの喜びは長くは続かなかった。ある日、彼はいつものように学校で過ごしていた。周囲の生徒たちは、以前と変わらず彼と接している。だが、松本は、彼らの視線の中に、どこか以前とは異なる種類の奇異さを感じ取った。それは、以前の嘲笑でもなければ、驚きでもない。まるで、彼の髪が柔らかくなったこと自体を、珍しいものとして眺めているような、そんな奇妙な視線であった。

 松本は、放課後、自室に戻ると、鏡の前に立った。そこに映っていたのは、確かに柔らかくなった髪であった。しかし、彼は気づいた。以前の彼の髪は、異常なまでに硬かったがゆえに、ある種の個性を帯びていた。それは彼自身の存在を、良くも悪くも、はっきりと際立たせていた。だが、柔らかくなった彼の髪は、ごく普通のものであり、彼の個性を示すものは何一つとしてなかった。

 松本は、今まで彼を苦しめていた髪の呪縛から解放されたにもかかわらず、どこか満たされないものを感じていた。人々はもう彼の髪を笑わない。しかし、彼らが彼の髪を「普通」として見ている限り、それは彼の存在を、凡庸なものとして扱うことと変わらないのではないか。彼は、自分自身の存在が、以前よりも希薄になったような気がした。

 松本は、再び彼の髪を見つめた。それは、確かに普通の髪であった。だが、その普通さが、彼には、何よりも深い苦痛をもたらすのであった。彼は、再び、あの異様なまでに硬い髪を持つ自分を、むしろ懐かしくさえ感じ始めていた。彼の心は、かつて彼の髪が頑固であった時とは、また異なる種類の、言いようのない空虚さに満たされていた。

終わり


文豪が文豪と言われるゆえんを探りたいのです。

ほん太
ほん太

文豪のような文章にあこがれるよね。

でも、どんな要素があれば文豪なんだろう?

AIのGeminiに聞いて……も分からないと思うけど、例を示してもらって意見を聞いてみよう。

うさ井
うさ井

それをAIに聞いちゃう時点で、ほん太くんのレベルが知れますな。

ほん太
ほん太

参考までに!だよ!
試すぐらいいいでしょ。

【プロンプト(命令文)】
現代の高校生が苦悩する小説を、芥川龍之介風に1000文字程度で書いてください。

うさ井
うさ井

なんで高校生?

ほん太
ほん太

なんか、苦悩してそうだから。
芥川作品って、とりあえず苦悩するでしょ?

うさ井
うさ井

きみは文豪をなめているな。


設定丸パクリでした。

ほん太
ほん太

これでできたのが冒頭の作品だけど……

これって、『鼻』だよね。

うさ井
うさ井

うん。

『鼻』だね。

ほん太
ほん太

「鼻が大きくて悩んでいる住職が、荒療治で鼻を小さくしたけど、小さくなったらなったで悩む」というのが『鼻』だものね。

うさ井
うさ井

うん。

ちょっとAIに、どういうつもりか聞いてみてよ。

ほん太
ほん太

わかった。聞いてみるね。

【プロンプト】
どんなところが芥川龍之介っぽいところですか?


AI、確信犯でした。

ロボ柴
ロボ柴

異常な身体的特徴への執着と苦悩: 芥川の「鼻」が禅智内供の異常に長い鼻を扱っているように、「髪」では高校生・松本の異常なまでに硬い髪がその苦悩の源となっています。

主人公が自身の身体的特徴に深く心を悩ませ、それが彼の存在そのものを規定している点が共通しています。

ほん太
ほん太

あ、『鼻』をご存じの上で、この作品なんだね。

うさ井
うさ井

「共通しています」って、文学作品で共通したらダメじゃん。
オリジナリティーどこよ。

ほん太
ほん太

確信してパクるとはw

AIはインターネット上のいろいろな情報を集めて、出所がわからないくらい薄めてくれるものだと思っていたけど……。

うさ井
うさ井

もういっそ、『鼻』を書きかえて『尻』を作ってもらってよ。
髪より面白そうだし。

ほん太
ほん太

尻を熱湯で茹でたり足で踏んだりするの?

変態っぽいからやめておくよ。


恒例のイラストです。

ほん太
ほん太

では、いつものやつを。

【プロンプト】
この物語のイメージイラストを描いてください。

ロボ柴
ロボ柴

はい、物語のイメージイラストを生成しました。

ほん太
ほん太

手首のヘアゴムに哀愁を感じるねw


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